めったに見た事のないサンゴ水木の実です。




“イニシャルD”の中で、主人公拓海の父(文太)が、「そりゃあ毎日ハチロクを見ていりゃあ、あいつがどんな走りなのか手に取るように分かるさ」と言っていました。タイヤかな?という話になった時。昔、近所のガソリンスタンドに車を停めて置くと、不思議そうに車の後ろを覗き込んでいる人がいました。プロのレーサー愛称Kちゃん(水戸黄門みたいな名前)でした。ある日、めったに話かけて来ない整備のKさんが「マフラーきれいに焼けてるねー!」と。「何が〜?」と聞くと、「ここだよ、ここ!」と排気口を指差していました。いつもと変わんねーけど?と、不思議そうにしていると。「とぼけてもダメだよ、見る人が見ると、どんな走りをしているか分かるんだよ!」と、笑いながら行ってしまいました。エンジンの調子がいいんじゃないのと思い30年が過ぎ。もしかしてと、子供相手に「Zの排気口は、いつも乾いた砂みたいな色だった。」と、言ってから。今時の低公害車は排気口が綺麗だったりしてと、慌てて見に行きました。文太は、何処で走り方が判るんでしょうね。



B君に誘われて初めて参加したラリー
(B君の目的は、もちろんラリーではありませんでした。)



桁違いの二人
Kちゃんとは、よくスタンドで顔を会わせていましたが、一言も話しをした事がありませんでした。私は、車の掃除をしている時以外は、M君と話をしている事が多く。KちゃんはM君を見つけると新聞や雑誌を丸めて、まるでゴキブリでも叩くように追い回すのです。2人共笑いながら走り回り、それは経理のおばちゃんに怒られるまで続き、私が口を挟む余地が無かったのです。テレビで見るKちゃんは、いつも鬼みたいな形相でしたが、スタンドでは、いつも笑顔。娘さんを連れている時は、今にも顔が溶け落ちそうな笑顔で、とても同一人物とは思えませんでした。そして娘さんが私の車を見つけると、指を差して何か言うのです。Kちゃんは、嬉しそうな表情で何か言い、一瞬レ−サーの顔に戻るのです。(そんな時私は、お父さんの車とは別物だよ!と大変恥ずかしい思いでした。)身近にいても、Kちゃんは神様みたいな存在だったので、気軽に声を掛けられなかったのです。私が最後にKちゃんをTVで見たのは、ル・マン24時間耐久レースでした。スピンした車を見事に交す勇姿は、かっこ良すぎて、やっぱりスタンドで会ったKちゃんとは別人に見えました。
モンスターと呼ばれたオジサン
4台目の車を購入する際に知り合ったTさん。靴屋さんがあると立ち止まり「靴ください。」と足を出すのです。店員さんは出された大きな足を見るなり「すみません、取り寄せになります。」と、「じゃーいらない。」と言って、いつも大声で笑っていました。当時よくラリーに出ていたらしく「この間、四国の山の中でひっくり返ったら、うまい具合に橋の上に転がってねー。橋が無かったら谷底だったよー。」と笑っている人でした。そして「今度サファリに行くんだけど、手伝ってもらえない?」と。いくら私でもサファリは、サービス範囲外でした。その後、アメリカで行われたヒルクライムレースで優勝争いをしている姿をTVで見て、生きてた!やっぱり何処か違うよなーと、懐かしい思いでした。